Are You Worth More Dead Than Alive?
ニューヨーク・タイムズマガジンの記事のタイトル
直訳すると・・・
「あなたは、生きているより死んだ方が価値がある?」
生命保険金のお話です。
50万ドルの生命保険を持っていた脳腫瘍の患者が
30万5千ドルで、保険の買取会社へ売ったという。
高額の医療費に充てたかったから。
買い取った会社は、この患者が亡くなるまで保険料を払い続け、
亡くなった時には50万ドルを受け取る。
買取会社は、亡くなる時期が早い程、良い買い物だった、ということになりますね。
この記事には、アメリカでは保険の買取は合法と書いてあります。
日本では過去に、これをやろうとした個人を保険会社が拒否したという例があります。
保険会社は、契約者の変更に慎重で、買取制度はありません。
その代わり、「リビングニーズ」という特約が一般的になっています。
余命6ヶ月と診断されたら、生命保険金の一部を生きている内に受け取れる、
という制度です。
大抵、無料の特約となっていますが、受取人等を指定しておく必要があります。
更に、住友生命には、「がん長期サポート」という無料の特約があります。
医療技術の進歩に伴い、がんでも延命が可能な今、余命6ヶ月という宣告は
しなくなってきているようです。
つまり、治る見込みがない患者でも、高額の医療費を長く支払い続けなくてはならない
ということ。
そこで、余命に関わらず、治る見込みのないがんと診断された場合に、
リビングニーズと同じように、生命保険金の一部を払い出すという仕組です。
これは、2008年に日本経済新聞社の選ぶ、日経優秀製品・サービス賞を受賞し、
一定の評価を受けています。
ニューヨーク・タイムズマガジンの例のような患者を救うということに、
生命保険会社としての社会的使命を感じて製品の形にしたということですね。
死亡時に受け取る生命保険を生前給付する、というのは画期的。
記事にもありますが、保険金買取制度が一般化すると、第三者が絡むことによる
保険事故の増加も気になります。
契約関係を生命保険会社と契約者に限定した形で、こういったニーズに応えられる
仕組があれば安心です。